こんにちは、辰川です。
不動産の売買の場合、特に中古住宅においては7割近くが「現状有姿」による
取引になっています。
現況有姿とは、現在あるがままの状態をいいます。
つまり「現状有姿にて引渡す」とは、引渡時の現状でその不動産を引渡すということです。
中古住宅はあくまで中古なので、当然、使い傷みの部分があることは止むを得ません。
また中古住宅として販売する上で、使い傷みは査定価格に反映されているものです。
ところで、売主が引渡し後、一切の欠陥についての責任を負いたくないと思い、
「現状有姿で引渡す」と契約書に明記した場合にはどうなるでしょうか?
現状有姿とは、既に売主がわかっている状態のものを、
そのまま引き渡すことなので、売主が知らない隠れた欠陥については現状有姿は適用されません。
では、売主が引渡し後一切の欠陥についての責任を負わなくするにはどうすればよいのか?
それには、契約書に瑕疵担保責任を負わない(瑕疵担保免責)と明確にいれておく必要があります。
こうすれば売主が知らない隠れた欠陥(瑕疵のこと)が発見されても
売主は損害賠償を請求されずに済みます。
しかし、売主が例えば雨漏りを知っていたのに、雨漏りはないと契約時に買主に申告した場合は、
瑕疵担保免責としても、損害賠償を請求される可能性がでてきます。
瑕疵とは「隠れた欠陥」という意味なので、売主が欠陥を知っていた場合は瑕疵ではなくなるからです。
従って、売主は不具合がわかっている部分については、キチンと買主に申告しておくこと。
そうしないと、損害賠償を請求されることにもなりかねません。
不具合をきちんと申告していれば、買主は欠陥の中身を分かったうえで購入したことになるので
後から損害賠償を請求されることはありませんね。
ところで、売主が業者であり、買主が消費者である場合には、業者は免責の特約を
押しつけていくことはできません。
つまり、売主が業者である場合、担保責任の期間を2年以上とする場合以外は、
買主に不利な特約をすることは禁止されているのです。
いかがでしたか?
現地で見学する際は、当然、物件の表面的な部分しか判りません。
売主にしっかり内容を確認し、納得のうえ判断することが大切です。
次回は、契約前の耐震診断について。
それではまた。